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★絵本は子どもにも、大人にも

「大人のための絵本を楽しむ集い」

【初山・菅生・水沢地区担当、2023年3月15日 記】

 絵本は大人が子どもに読み聞かせるもの、という先入観はありませんか?
 そうではなく、大人が大人に絵本を読んでもらう集いが、宮前市民館で隔月開催されています。その名も「大人のための絵本を楽しむ集い」。主催は宮前区小学校図書ボランティアの会。3月10日(10:00-12:00)にこの集いに参加してきました。

 集いでは、椅子に座った参加者の前に、ボランティアの会の方が一人ずつ立ち、絵本を掲げて読んでくださいます。
 自分が子どもに読み聞かせるときは、どうしても文字ばかりを追うことになるけれど、他の人に読んでもらえるから、絵をしっかりと見ることができました。
 まるで子どもになった気分です。

 文字を追う必要がないからか、絵の色使いや形が新鮮に目に焼き付きます。
 スタッフの抑揚ある読み方で、登場人物が笑ったり泣いたり、困ったり開き直ったり……。世界各国の絵本だから、背景や設定にも特徴があって面白く、引き込まれました。
 これまで何度も自分の子どもに読んできた絵本でも、人に読んでもらうとまるで別物ですね。参加者の皆さんもすっかり絵本の世界に入り込んで、体を乗り出して聞いている人もいました。

 今回で115回目、20年近く続くこの集いは、会の発起人の故伊藤千代子さん主宰の「子どもの本を楽しむ会」の仲間同士で、絵本を読み合う会として始まりました。
 その後「小学校での絵本読み聞かせ講座」が始まると、読み聞かせをする方々に、読み聞かせを聞く側になって楽しむ体験をしてもらい、同時に読み聞かせ活動の参考になればと「集い」を意識するようになりました。
 また、直に絵本や昔話が子どもだけでなく、大人にとっても大きな喜びや芸術を体験できる楽しみのひとつであることを痛感し、自然に地域の大人の方々にもご案内するようになったそうです。

【写真:絵本を読み聞かせてもらう参加者】

絵本を読み聞かせてもらう参加者

絵本を読み聞かせてもらう参加者


宮前区小学校図書ボランティアの会

 この集いの主催者である「宮前区小学校図書ボランティアの会」とは、会員募集のチラシによると以下のように書かれています。
 「2000年の子ども読書年に『読書のまち・かわさき』事業が始まり、そのころから学校の呼びかけで、図書ボランティア活動が始まりました。
 そして2001年9月に、子どもたちの読書環境がよくなるためにボランティア自身が自主的に学習し成長しようと、『宮前区小学校図書ボランティアの会』が発足しました。
 この会は、1986年に川崎市が出した『生き生きとした川崎の教育を目指して』の中にある”子どもの教育は、学校と地域に住んでいる人との共同責任“という考えをうけ、子どもの読書環境の充実については、私たちも共同の責任を担っていることを認識しつつ活動しています」

 学び続けるという姿勢、そして子どもの教育を、親だけではなく、学校だけでもなく、地域で住んでいる人との共同責任と捉えて活動されているところに、この会の高い志を感じました。
 20年以上活動をし続けてきた同会の会員は現在約60名。その中から選ばれた企画委員11名により、この集いは開催されています。写真は、集いで配布された会報「本はいいなあ」第33号です。

【写真:会報「本はいいなあ」】

会報「本はいいなあ」

会報「本はいいなあ」


厳選された絵本

 子どもたちに充実した読書環境を届けようという思いは、集いで紹介する本の選択にも表れています。
 集いの度に企画委員で話しあい、季節を意識しつつ、東西の昔話、絵本と物語、定番の本と初めて紹介する本などを選択。時には、小学生への読み聞かせには長すぎて向かないという本でも集いでは紹介するそうです。
 そうして選ばれた本は必ず読み合わせをして、それぞれのバランスを考えながら当日のプログラムが作られます。
 そうか、こうして厳選された絵本だからか、と納得。というのも、読み聞かせを聞き終わってすぐに、2冊どうしても欲しい本がでてきて、(集いの途中なのに)オンラインで注文してしまったのです。
 「参加された方が、読んでみたいと思われる本に出会えましたら、嬉しく思います」、と上記の会報「本はいいなあ」には書かれています。その通りの機会を頂きました。

 ちなみに今回紹介されたのは以下の8冊。会場では、紹介された絵本とその関連資料や姉妹本などをテーブルの上に並べて、手に取ることができるように準備されていました。
 心から「絵本はいいなあ」と思えた二時間でした。

『わたしとあそんで』マリー・ホール・エッツ ぶん・え、よだ・じゅんいち やく
『モペットちゃんのおはなし』ビアトリクス・ポター さく・え、いしい ももこ やく
『ほんとに ほんとに ほしいもの』ベラ・B・ウィリアムズ 作・絵、佐藤 洋子訳
「ねずみ浄土(『日本昔話百選』より)」稲田 浩二・稲田 和子 編著
『しずかで にぎやかな ほん』マーガレット・ワイズ・ブラウン さく、レナード・ワイスガード え、谷川 俊太郎 やく
『いしになった かりゅうど』大塚 勇三 再話、赤羽 末吉 画
『わたしの かわいい めんどり』アリス・プロベンセン マーチン・プロベンセン さく、きしだ えりこ やく
『おかのうえの ギリス』マンロー・リーフ 文、ロバート・ローソン 絵、こみや ゆう 訳

 この集い、次回は5月12日(チラシは下記の写真一覧をご覧ください)。
 参加予約及び質問等は以下のメールアドレスまで。
 miyaborakai@gmail.com

【写真:絵本と、本や作者などにまつわる資料】

絵本と、本や作者などにまつわる資料の紹介

絵本と、本や作者などにまつわる資料の紹介


写真一覧

5月の「大人のための絵本を楽しむ集い」

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