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★「住みたくなる街づくり」のヒントがここに!宮前平グリーンハイツの敬老の日
「住みたくなる街づくり」のヒントがここに!宮前平グリーンハイツの敬老の日
【ご近助コンシェルジュ 宮前・神木・けやき平地区担当/南、2021年10月22日 記】
自治会の活動がコロナ禍で開かれなくなっている昨今。
もちろん宮前平グリーンハイツもコロナの影響を受けている例外ではない。
そんな中、宮前平グリーンハイツの自治会長より
「『敬老の日』をするから取材どうですか?」とお声を頂いた。
「グリーンハイツでどうやってするんだろう?」
最初に私が考えたのはそんな疑問だった。
宮前平グリーンハイツをご存じない方のためにちょっとご説明。
1971年、72年に分譲された宮前平グリーンハイツは、住人専用のテニスコート2面、図書室、広場、公園、集会所、診療所etc
充実した共用施設を敷地内に持つ、55棟1000世帯が住む大規模団地。
住人によると、建設当初は、団地の周辺は豊かな緑。
「当時団地周辺はこんなに開発されてなくて。本当に田舎の山の中の村って感じ。
でも、そこを選んで住んでるんだから、選んだ理由もそこにだったんだよ」と。
実は、テニスが好きだったその方は、いつでも使える2面コートに惹かれて、
1年ぐらい住むつもりで引っ越してきて気づけば、30年経ってしまったんだとか。
昔はある競技の日本代表だったという経歴の方が住んでいたり、
「当時から私と同じような気持ちで環境に惹かれて、ここに住んでる人が多いのかも」とお話しされていた。
なんだか素敵。
そんな宮前平グリーンハイツの「敬老の日」興味が湧かない訳はありません!
「もちろん取材させてもらいます!」と行かせていただいた。
【写真:敬老の日の掲示】
三密を避けて「みんなで祝う敬老の日」
お祝いする世帯は、330世帯もある。
例年は集会所で皆さんを集めお祝いしてきたが、
コロナの中で集会所は使用禁止になっており、
もちろんコロナの中で大勢が集まることもできない。
どうやって密にならないようお祝いするか、
7月からZOOMとメールでやりとりし、打ち合わせを重ねてきた。
そうして、迎えた当日。
結論は330世帯にお祝いの品を手配りする!
そうきたかあ!!!
でも330世帯にどうやって?
【9月12日(日)の敬老の日当日はあいにくの小雨。】
けして広くない事務所は、330世帯のお祝いの品でいっぱい。
小雨が降り、蒸し暑い中、密を避けるため窓とドアを全開にし、
事務所の中は、少人数でお祝いの品を準備している。
そしてここからが、グリーンハイツならでは。
なんと、準備したたくさんのお饅頭は55棟のそれぞれの幹事に渡し、
幹事から各御家庭にお渡しするという方法にしたのだ。
【写真:準備に大わらわ】
幹事とバトンタッチ。そして、その先へ。
55棟もあるので
幹事達の密を避けるという配慮から
棟の幹事たちは、10分おきに決められた時間にお祝い品を受け取る方法がとられた。
幹事のミッションは、ここから各世帯にお祝いの品を届けること。
「今回のお祝いの品は『亀屋万年堂の紅白饅頭』。食べ物だから渡せないとだめになってしまう。無事全員に渡せますように!」そんな不安があったことを教えてくれた幹事の方もいた。
それでも「チャレンジしないと何もできないから」みんなそんな思いでやっていたのかもしれない。
【写真:続々と幹事の方が集まる】
ひとりひとりに手渡し。はじめてだものハプニングもあります!
棟ごとに分けられたお祝いの入った紙袋を受け取った幹事。
そこからは、その足で各ご家庭に手渡しいたします。
棟に向かって歩いていると。
「あっ。行っちゃう」といきなり駆け出した幹事。
みるとちょうどお出かけしようと車に乗っている方がいる。
危機一髪。
ギリギリセーフで間に合った。
実は棟の掲示板に、訪問する時間を張り出していたが、予定より早い時間でお祝いの品を受け取れてしまい、訪問時間が変わってしまったのだ。
初めての試み。
そんなハプニングもありますよね。
この後無事に各御家庭にお渡し。
皆さん笑顔で受け取ってくれていたのが印象的だった。
【写真:走ってます!】
豊かな環境がここにあった。
他の幹事の棟では。
一階に下りてきて待っていてくれた人も。
どこにいっても、お品を渡しながらちょっとしたごく短いながらもご近所ならではの会話がある。
「こんなに待っていてくれたなんて。もしかして留守ばかりかも?と思っていたけど。全員に渡せたよ。みんなが喜んでくれて…やって本当によかった。」と会長へ幹事が報告する姿も。
今回は、
「77歳以上の方に配布していますが、独居の方もいるから体調などの変化はないか、施設に入られて不在、何度訪ねても会えなかったなど報告もしてもらって民生委員に共有します。実は紅白饅頭の配布は高齢者の見守りにもなってるんです。」と会長は言われていた。
見守りと聞くとハードルが高く感じるが、
ここには、実際はもっと自然体のかかわりがあった。
ごく当たり前の近所付き合い。
普段からお互いを知ってるからこその気持ちの通い合い、穏やかさがあった。
独身でマンション暮らしの私は、実は隣の人の顔すらよくわからない。
今のように、自分で外に出てることが難しくなってきた時、ご近所の方から「おはよう」「元気?」「おめでとう」と言ってもらえる関係は全然ない。
「いくらお金積んでも、こういうものは買えない。こういうのを豊かな環境というのだな」としみじみ感じた。
「私もココにちょっと住んでみたい!」と思わず言葉に出た。1年間のつもりで引っ越してきたという住人さんの気持ちがわかる気がした。
ご近助コンシェルジュ南がお送りしました。
宮前平グリーンハイツの皆様取材協力ありがとうございました。(2021/10/10)
【写真:待っててくれた!】