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★「公園で遊ぶ」難しいと思ってる?
「自分の責任で自由に遊ぶ・ケガと弁当は自分持ち」
【ご近助コンシェルジュ 鷺沼・土橋地区担当/西村ルミ、2021年11月27日記】
秋のよく晴れた日。
土橋1丁目公園の入り口に、カラフルな看板が立ちました。
それが「つちはしプレーパーク」
「つちはしプレーパーク」は土橋1丁目公園で月1回行われている市民活動です。
子どもたちが自由に集まり、その場にあるモノ(遊具や木登り、泥遊びやロープ遊びなど)で自由に遊びを考え、カラダを目いっぱい動かして遊ぶ場を作っています。
取材当日も開始時間の午後1時になると、次々と公園に子どもたちが集ってきました。
下は未就園児の子どもから、上は小学校高学年の子どもまで、10人以上はいたかな。
(もうみんな動き回っているので、何人いたか数えられなくて(^^)
それぞれでおしゃべりが始まり、
徐々に木登りをする子
のこぎりで太い枝を切る子
ベーゴマをする子
思いっきりブランコをこぐ子・・・と
なんとな~く勝手に遊びが始まります。
決まった始まりの号令もなく、誰が声をかけるわけでもありません。
勝手にその場にあるモノで遊び、満足したらまた次の遊びを勝手に始める。
そんな「自由に遊ぶ」が、その公園にはありました。
今回は「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにしている「つちはしプレーパーク」をご紹介します。
【写真:つちはしプレーパーク始まるよ!】
学校とは違う、こどもの世界
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つちはしプレーパーク(土橋一丁目公園冒険遊び場)
土橋一丁目公園(土橋1-20)
宮前平駅より徒歩8分
開催日:毎月第2土曜日
13時~16時(冬季は15時まで)
◆ホームページ
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この日はボランティアのお母さんたちが「大なわとび」「シャボン玉」「のこぎり」「ベーゴマ」など公園の所々に並べていました。
ただ、子どもたちがこれらで遊ぶか、遊ばないかは自由。
まわりの大人が声をかけるわけでもありません。
それぞれが自由に使いだし、そこに1人2人と加わっていきます。
いつの間にか、子どもたち全員で公園1周の徒競走が始まったり。
あっという間の3時間でした。
つちはしプレーパークに遊びに来る子どもたちは、同じ学校に通っていても、必ずしも一緒に過ごしているわけではないそうです。
学校ではしゃべらないけど、プレーパークではいつも一緒に遊んでいるとか。
子どもには子どもの世界があるんですね。
【写真:大なわとびで遊ぶ】
10年続くプレーパーク活動
つちはしプレーパークの代表を務める久保浩子さんは、3人のお子さんを自主保育で育てたそう。
久保さんにプレーパークの歩みを伺いました。
「幼稚園には入れず、3人で11年間、自主保育で育てました」と久保さん。
当時(10年以上前)土橋近辺には自主保育グループはありませんでした。
「宮崎第一公園の自主保育グループに参加したり、世田谷羽根木公園のプレーパークや、有馬ふるさと公園のプレーパークなどと一緒に遊んでいた」そうです。
「プレーパーク」は「冒険遊び場」とも呼ばれ、宮前区では2011年から始まりました
その前年の2010年、宮前区区民会議で ”公園遊び” を提案された際、多くの方が「外遊びいいよね~」と言ってくれたそうです。
まずはモデルケースとして土橋1丁目公園で冒険遊び場(プレーパーク)として、活動を開始します。
始めはなかなか周知されず、人も増えない状況が続きました。
そこで、独立行政法人国立青少年教育振興機構の「子どもゆめ基金」助成金を受けることに。
その助成金で「プレーリーダー(冒険遊び場で子どもと関わる専門スタッフ)」に来てもらったり、イベントを行ったりすると、徐々に活動が広まり、定着してきました。
時には他の子育て団体と一緒に遊んだりもしています。
そうやって活動を続け今年で10年目になります。
【写真:自分でのこぎりで切りました】
「自分の責任で自由に遊ぶ」だけではない、大切なこと
【Q:10年間の活動で印象に残っていることは?】
A:冬になると火起こし体験を行います。(ちゃんと消防署に届けてます)
もちろん子どもたちが自分で工夫をして火を起こすのですが、子どもたちの個性がでますね。
”火がつくまであきらめない子”
”手伝ってあげる子”
”すぐやめちゃう子”
でも、それでもいいんです。自由ですから。
そういう「それぞれの子」を見ているのが、楽しいんです。
【Q:私(筆者)の息子は「公園に行ってもすることがない」とよく言っていました。今の子どもたちに「自由に遊ぶ」は、難しいのでは?と感じますが。】
A:初めてプレーパークに来る子どもや親御さんの中にも、
「ここでは何ができるんですか?」
「何をしちゃいけないんですか?」とよく聞かれます。
『”自分の責任で自由に遊ぶ”のは難しいのかな?』と、私も感じています。
「何でもしていいよ」と言っても、「どうしていいのか、わからない」と感じてしまうのかもしれません。
ただ、”場”に慣れてくれば、だんだんと自然とカラダが動いてくるものです。
ですから可能なら週1、2回活動できるといいんですけどね。
【Q:つちはしプレーパークで大切にしていることは何ですか?】
A:「自分の責任で自由に遊ぶ」・・・それだけではないと思っています。
大人も大人で、おしゃべりできる場というのも大切です。愚痴とかね(笑)
近い知り合いだと難しいけど、ちょっと離れている(月1回のプレーパークでしか会わない場)人には話せることもある。
ゆっくり子どもを見ながら、親御さんも楽しんでほしいです。
【Q:今後どんな形にしたいですか?】
A:子どもたちが(親御さんと一緒じゃなくても、いつでも来れるように)一人で来れる形にしたいです。
そのためには場に慣れてもらうためにも、平日や毎週土曜とか回数を増やしたいです。(でも現実には難しいな・・・)
【写真:自分の責任で自由に遊ぶ】
子どもたちが公園で自由に遊ぶきっかけがある
「子どもは自然の中で放っておけば、何でもする」とよく聞きます。
私はその考えに懐疑的でした。
実際に息子からは「公園に行ってもすることがない」「公園に行ってもつまらない」と、よく聞いていたからです。
息子の場合「どこで遊ぶか?」よりも「何をして遊ぶか?」が重要だったのでしょう。
ですが今回、つちはしプレーパークの取材を通して、「自然の中で放っておけば、何でもする」子どもたちを目の当たりにしました。
そこで遊んでいた子どもたちは、「公園での遊び方を知っている」ように、私には見えました。
「外で元気に遊んでほしい」と思っている親御さんも、多いのではないでしょうか。
ゲームで遊ぶことが悪いことではありません。
「ゲームでしか遊べないこと」が問題なんだと思います。
子どもが「楽しい遊び」と思えることがたくさんあることが大切だと感じました。
私は「自由に遊ぶ」ことは、今でも難しいと思っています。
だからこそ、子どもたちが公園で自由に遊ぶきっかけを作ってくれる「つちはしプレーパーク」を多くの親御さんに知ってほしいです。
「ゲームも、外遊びも大好き!」という子どもがたくさん増えてほしいです。
ぜひ親御さんも一緒に、つちはしプレーパークに遊びに行ってみて下さい!
以上、ご近助コンシェルジュの西村ルミがお伝えしました♪
【写真:みんなで何かやりだしました~】