News&Topics
★地域課題の解決へ?花の台町内会のチャレンジ。「公園清掃とミニマルシェ」
地域課題の解決へ?花の台町内会のチャレンジ。「公園清掃とミニマルシェ」
【ご近助コンシェルジュ 宮崎・宮前平・神木・けやき平地区担当/南、2022年1月1日 記】
2021年12月5日 晴天。老若男女、たくさんの人が集まる中、
「こういう時代、こういった出会いと交流がすごく大切になってくると思うので、
皆さん短い時間ですけど楽しく過ごしていきたいと思うのでよろしくお願いいたします!」
この第一声で、この日、宮崎おちば公園で「公園清掃後のミニマルシェ」が始まった。
挨拶をしたのは、
花の台町内会 会長 田村 伸一郎さんと宮前まち倶楽部 代表 辻 麻里子さん。
二人の挨拶を見て、開催できてよかったなと率直に思った。
私がこの企画を初めて聞いたのは、2021年7月の宮前区役所の会議室だった。
その日は、9月に公園清掃とミニマルシェができるかどうかを話し合っていた。
7月に入ってから急激にコロナの感染者が増えていた。
オリンピック後にはさらに増加している恐れがあるとのことで延期が決定。
12月にもう一度チャレンジするとして話し合いが終わった。
実は、こういう活動が町内会と市民活動の共催で行われるのは初めて。
花の台町内会と宮前まち倶楽部は2019年から開催の準備を進めてきた。
様々な調整を経て、ようやく開催できるとなった時にはコロナになり、ようやく12月に開催したという念願のプロジェクトだったのだ。
今回のコラボは、宮前区の「希望のシナリオ」実現プロジェクトの一環として、「市民活動支援の仕組みを考える『ラウンドテーブル』」のプロジェクトの一つとしても取り上げられた。
念願の開催!朝9時公園清掃開始!
公園清掃の担当をしている副会長 針生 久さん。
「年4回の大きな清掃はコロナでできなくて、ようやくの開催なんです。」
この日、近所の住人、子供達。大勢のボランティアが清掃をしていた。
小学生のお子さんと一緒に参加していたお母さんに話を聞くことができた。「子供の頃から住んでおり、今まで両親が当たり前にしていたことを、今子供ができて自分もしなきゃと考えるようになった。」と参加理由を話してくれた。
実は、花の台町内会には、たくさん公園がある。
その数、なんと13箇所。公園清掃は13箇所で一斉に行われる。
ボランティアが集めたたくさんのゴミは、環境局へ予め連絡しておき回収してもらう。
公園清掃は、公的機関の協力と地域の大勢のボランティアにより成り立っているのだ。
ところで、なぜ町内会が公園清掃を主催しているか知っているだろうか?
実は、宮崎おちば公園の管理を区から委託され、町内会が管理しているからなのだ。
清掃以外にも公園の遊具の安全確認、公園に生えている木の伐採など、仕事がたくさんある。
私たちが、綺麗な公園で安心して過ごせるのは、町内会が管理してくれているおかげなのだ。
町内会とそれを支えるボランティアの協力なしに安全な街は成り立たないのだと改めて感じた公園清掃だった。
11時?ミニマルシェいよいよ開催!
公園清掃後にはじまったミニマルシェ。
すでにたくさんの人が集まっていた。
いつもは子供がたくさん集まる小さな公園には、
年配の方々の姿も大勢あった。
コロナの中久しぶりに交流する機会となったのだろう。
年配の方々が本当に楽しそうに話をしている様子が印象的だった。
会長の始まりの言葉「こういった出会いと交流がすごく大切」
本当にその通りの光景だった。
地元の方々の手作りの小物販売ブース、絵本コーナー、町内会の情報ブース、防災に関する地域情報コーナー、まち情報のブースでは温かい飲み物の提供があったり、季節柄クリスマスツリーの飾りつけなど、それぞれのブースを大人と子供が楽しんでいた。
以前なら、当たり前の光景かもしれない。
でもこういう時だからこそ、人と人が出会える機会はとても貴重で意味のあることだと実感した。
子育て世代とつながる、町内会。地域を知りたい、子育て世代。
町内会の役割は様々あるが、「街の安全・安心」を守る組織というのが最も重要な役割なのだと思う。
田村会長は、今回初コラボをした理由をこう言っていた。
「就学前の子供たちにアクセスしたい。」
花の台町内会は、マンションが多い。子育てのために転居してくる若い世代の家族も多い地域だ。子供が小学生になれば、PTAや子供会に入り地域につながることができる。しかし、未就学児を抱える世代のお母さん、お父さんはなかなか町内会に繋がるきっかけがない。その世代に町内会の存在を知ってもらいたいという思いがあるのだ。
一方、若い世代も地域を知りたいというニーズがある。
この日も、ベビーカーで訪れる未就学児を抱えた家族がよく来ていた。
その中で人気だったコーナーが防災マップ。
「引越ししてきたばかりで、土地勘がなくてどこに何があるのかわからない」という相談をしている人もいた。
町内会に参加している人なら、町内会の広報誌などで様々な地域の情報が届く。しかし、入っていない人に、区の情報を届ける方法は限られている。防災マップを真剣に見ている若いお母さんを見て、地域の情報を若い人たちも必要としていると知った。
様々な課題にアクセスできる場所作りへ
町内会の活動を活性化するには、存在を知ってもらうことが第一歩。
地域の市民活動が、町内会とコラボすることで、町内会の活動が届けたい人へより伝わった機会になったように感じた。
宮前まち倶楽部もまた、『まちの中にあなたの「出番」と「居場所」を!』という活動に深みが出たように感じた。地元のママたちの手作り小物販売とともに公園清掃や町内会コーナーがあることで、コンセプトが明確に伝わり、地域を知るきっかけを今まで以上に広げていたように感じた。
今回取材を通して感じたのは、いつでもそこに入り口がある大切さだ。いざという時、あそこに相談できる場所があるということを知っているのと知らないのでは大きな差がある。
ミニマルシェは、今回そういう機会になっていたと感じた。
今後の両者の活動が本当に楽しみだ。