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★「むかおアート展」開催
芸術の秋を出張所で
【ご近助コンシェルジュ 平・神木本町・五所塚地区担当/山田佳一朗、2022年11月4日 記】
食欲の秋、芸術の秋…宮前区でも連日、様々なイベントが開催されている。
平にある向丘出張所では10月24日から11月4日まで「むかおアート展」が開催された。
出張所には特にギャラリーがあるわけではなく、窓口の手前にある待合スペースで開催された。
ここでのアート展は初めての試みだ。
出展者は12組。
団体、個人での出展があり、中でも「アトリエ言の葉」という団体は、平に事務所をおく特定非営利活動法人で、20名以上が出展し、70点ほどの作品が展示されていた。
初回とは思えない、充分なボリュームを感じる展示となっていた。
【写真:向丘出張所で開催されたむかおアート展】
圧巻のクオリティ
ボリュームだけでなく、圧倒されたのはその質だった。
和紙の貼り絵や油絵は正統派で見入ってしまう。
中でも圧巻だったのは「アトリエ言の葉」の皆さんの作品だ。
Ariさんが描く建築物や風景は、鮮やかな色彩を伴った無数の小さいパーツでできている。
Mameさんの豚と花の絵は何とも言えない可愛らしさがある。色も配置も絶妙なのだ。
Gakuさんの動物彫刻はあまりにも精巧に写し取られており、カタツムリも雀も今にも動きそうだ。
こんな素晴らしいアートが出張所のすぐ近くで生み出されているなんて、知らなかった。
https://kotonoha510.wixsite.com/atelier
【写真:出張所のすぐ近くで活動する「アトリエ言の葉」の展示】
なぜ出張所でアート展?
それではなぜ出張所でアート展を開催することになったのか?
「むかお暦(こよみ)の会議で、出張所の職員の宮島さんからアート展はどうか?とご提案頂いたのです。」
主催した「交流スペース・むかおカフェ実行委員会」委員長の川田和子さんが教えてくれた。
向丘出張所では一年を通して「むかお暦(こよみ)」というイベントを開催している。
例えば今度の1月はお琴の演奏、2月はお雛様の展示が予定されていて、秋は芸術ということになったそうだ。
「開催してみて、向丘地区にこれだけ素晴らしい作品を生む人がいることがわかりました。その方々と繋がれたことがとても重要。
地域の様々な能力を持った人や異なる世代の人が繋がり、地域を活性化していくことが目的ですから」と川田さんは語る。
【写真:「交流スペース・むかおカフェ実行委員会」の皆さん(前列左から川田さん、安斉さん、目黒さん、吉永さん)と宮島さん】
カフェも登場し、来場者と交流。
通常、出張所は平日しか開いていないが、今回は特別に11月3日の文化の日は開館した。
そこに毎月第3水曜日の午前中に開催している「むかおかフェ」も出店。
美味しい手作りの焼菓子やコーヒーをいただくことができた。
出展者の方もこの日に合わせて来場されていた。
エントランスすぐに目を引くモビールを作った五所塚の砂田英明さんも来場された。
多摩美のプロダクトデザインを修得され、船のデザインをされていた大先輩だった。
筆者は武蔵野美術大学でデザインを学んだので、親近感が湧いた。
一緒にご来場された奥様の砂田紘子さんは陶器の作品を出品。
なんと中学校のPTAで私と一緒に役員をしている方のご母堂で、中学校の校長をされていたそうだ。
川田さんからお聞きした通り、確かに色々な方と繋がれる場となっていた。
【出展者の砂田さんご夫妻と作品(左の陶器と上のモビール)】
今後の企画は?
第一回目は手探りながらも、成功といって良いのではないだろうか?
今後はどうなっていくのだろう?
「出展に関するお問合せがあります。出展する場を求めている方がまだまだいると思うので、そういう場になればと思っています」と宮島さんは言い、「3月前半に出張所は木質化の内装工事が完成し、より展示に適した場になればと思います」と続けた。
今回の展示は、出張所で普段使っている什器を使って開催された。
照明も天井の蛍光灯のみで、作品の質が良くても、環境がアート展に適していなかった。
それが次回からは展示にも適したスペースに生まれ変わるかもしれない。
行政手続きと選挙以外に立ち寄ることがなかった向丘出張所が、それ以外の目的で人が集まる楽しい場となる。
春の改装と、その後の交流が待ち遠しい。
【写真:平地区にある向丘出張所】