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★3年振り!犬蔵中学校区地域教育会議「犬蔵の森」
犬蔵の森
【ご近助コンシェルジュ 犬蔵・南平台・白幡台地区担当/カズ、2023年1月30日 記】
2023年1月22日に行われた犬蔵中学校区地域教育会議「犬蔵の森」が、3年ぶりに復活!小学生18人、保護者16人の計34人が参加し、心地よい天候の下、「防災」をテーマにしたウォークラリーを楽しんだ。
川崎の地域教育会議は、全国で初めてボトムアップ方式の学校教育と社会教育の連携を目指した住民自治の教育参加組織として設置され、7行政区と51中学校区に、それぞれ設置されている。子どもの支援や学校教育の支援、生涯学習活動などに取り組んでいる。
犬蔵中学校区地域教育会議では、例年いくつかの催しがあり、その内の一つが「犬蔵の森」である。これまでの「犬蔵の森」では、最近では触れる機会が減ってきている竹工作や松ぼっくりのデコレーションといった、自然に触れながら親子の交流が生まれる場をつくっていた。竹を切るところから始まり、弓矢・竹の器(茶碗・コップ・箸)を作ったり、弓矢で的当てをしたりと、子どもも楽しめ、大人も童心に返れるような、そんな場になっていた。
コロナ禍でのリスク回避を理由に開催を見送っていたが、今回は、餅つき・雑煮を取りやめ、一か所に居続けることが無いように、地元を回るウォークラリーへと内容を変えた。
犬蔵中学校区地域教育会議 議長の宮本太一さん曰く、「変わるもの」と「変わらないもの」がある。コロナ禍でも“できる”ものに形を「変えて」、3年ぶりの開催となった「犬蔵の森」。久しぶりの開催にもかかわらず、コロナ前と「変わらず」に多くの方が力を貸してくれたことに感謝!きっと参加する子どもたちも以前の時と「変わらず」に楽しみにしてくれているんだろうなと、当日を心待ちにしていた、とのこと。
【写真:ウォークラリー】
歩いてみると、知らないところがたくさん!
ウォークラリーはポイントを3つ設けており、そこを回ってさえくれば、どの道を通っても構わない。ポイントの拠点で「防災」に関することに触れ、親子や友達と、そこで知ったことや何気ない会話をしながら、思い思いにゴールを目指していた。
私もスタート地点で最終組のスタートを見送った後、一人でウォークラリーに参加してみた。実際に行ってみると、近所にも関わらず通ったことがない道や行ったことがない場所が結構あって、新鮮さや気づきがあるものだなと思わされた。
途中で一組の親子に声を掛けたところ、「私はこのあたりを散歩しているので知っているのですが、子どもと一緒に歩いたことはなかったので、こういうのもいいなと思いました。このような機会をつくってくださりありがとうございました!」という言葉をいただいた。私はスタッフとして参加していたので、他のスタッフにも、この声を共有しながら、そしてときに迷いながらゴールまで辿り着いた。
【写真:抜け道】
公園は遊ぶもの
スタート地点をでてから最初のポイントになるのが、「南平公園(”なんぺい”ではなく、”みなみだいら”)」。ここでお話を聴いたり、スタンプをもらって次のポイントへ移動!となるが、場所は公園。子どもだけでなく、大人だって遊びたくなっちゃうことがある。運営上は時間のこともあるので、移動を促すが、遊びたい子どもたち。そんな駆け引きも微笑ましい。
このイベントが始まる前に、議長の宮本さんが「第一に、イベントが事故なく無事に終わっていたら最高です。そして、参加した子どもたちが家に帰った後も『今日こんなことしたよ!』などと、家族や友達に話してくれたら最高!運営に携わった方々が笑顔で帰路についたら最高! いろんな人のいろんな最高に出会えること、それが自分にとって最高の最高です」と話されていた。
公園で遊ぶことは、子どもたちにとって日常のことかもしれない。でも、お父さんやお母さんと一緒、そして、ちょっと変わったことと触れ合いながらの公園や近所を歩いて回ったことが、日常を特別なものに変えたのかもしれない。
【写真:第一ポイント「南平公園」】
知っていると知らないの差
第2ポイントは、災害対策用給水装置格納庫。今回回ったエリアの中には他にもあるのだが、中学校を広く回るようなコース設定もあって選ばれた場所。ここでは、災害対策用給水装置格納庫とは?や、どのように使われるのか?といった講義が聴けた。私はこの道を何度も通ったことはあるのだが、この格納庫の存在には気づいていなかった。そして、第一ポイントから第二ポイントに来る道は通ったことがなかったため、唯一迷ってしまったのがここ。人は注意を向けていなければ、その存在には気づけない。そして知らなければ、できないこともある。私にとっては、そんなことを改めて思わされたのが、この第二ポイントであった。
【写真:第二ポイント「災害対策用給水装置格納庫」】
お手製・竹製マイコップ
ゴール地点となる犬蔵中学校では、田中理恵校長が参加者を出迎え、学校敷地内にある蛇口を捻れば水がでる災害対策用給水について説明をしてくれた。そのあとは水道近くに設置された机で、ウォークラリーに参加して触れた「防災」に関する、自分だけのマイタイムラインを作成し、最後の竹製のマイコップづくりへと取り掛かるという流れになっていた。
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参加者に作成してもらったマイタイムラインのお題
Q.平日午後4時、家にいるときに、とても大きな地震が発生しました。
1.最初に何をする?
2.電気・ガス・水道が止まってしまった。どうする?
3.家族が帰ってこない。一人で不安。どうする?
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竹製マイコップづくりは、様々な太さの竹の中から、自分の好みの竹を選び、のこぎりを使って、好みの大きさに切る。お父さんがやると、あっというまに切れるのに、子どもが自分でやると、なかなか切れない。それでも自分でやるんだ!と、大人のサポートを受けたり、受けなかったりしながら、最後までやりきる姿も微笑ましい。実はウォークラリーでもその要素が盛り込まれていた。SOSカードなどがそれ。子どもたちには、そのカードの分だけ「助けて!」が言える権利。それが使われたどうかは把握していないが、自分で負える責任や失敗は、その後の自分の糧になる。大人が手を貸すのは簡単にできる。よかれと思って手を貸したくなる場面もある。それでもぐっとこらえ見守ることが、子どもだけでなく大人も成長していくことに繋がるのではないだろうか。
そしてやすりをかけ、水洗いしたコップで、飲み物をいただく!「竹のにおいがする~」などと言いながら、カラダも頭も使った後の水分補給をして、今年の「犬蔵の森」はおしまい。
イベントを終えた後、終わってみてどうだったかを宮本議長に伺った。「やっぱり変わらなかった!コロナ前と大きく形を変えた今回の『犬蔵の森』でしたが、参加した子どもたちの笑顔や笑い声は『変わらず』に私たちも心から今日という日を楽しむことができました!そして、地域教育会議のもつ可能性について、しっかりと考えていきたいと思っています。学校や地域など、様々なコミュニティとつながり連携・協働する、これは地域教育会議の大きな特徴のひとつです。この特徴を活かすことができれば、もっともっと色々なことができるはずです。そして色々なことができれば、きっと仲間も増えるはずです。色々なことを沢山の仲間とできれば、今よりもきっともっと楽しいはずです! 今年は、完全プラス思考で『連携・協働』いうことを考え実践していきたいと思っています」と締めくくっていた。
※「マイタイムライン」とは(川崎市HPへ)
【写真:竹のマイコップつくり】