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★宮前区総合防災訓練
防災でつながる地域の輪~令和4年度第2回宮前区総合防災訓練
【ご近助コンシェルジュ 有馬・東有馬地区担当/山口正孝、2023年2月25日 記】
有馬・東有馬地区担当の山口正孝です。
令和4年度第2回宮前区総合防災訓練が2月12日(日)午前9時~正午まで宮前区役所主導のもと、有馬小学校避難所運営会議共催で有馬小学校にて開催されました。
有馬小学校避難所運営会議は、東有馬町会会長の井上孝志委員長のもと、市営有馬第一住宅自治会、市営有馬第二団地自治会、県営有馬団地自治会で構成され、今回の訓練では町会・自治会の有志の方による避難所開設訓練が実施されました。
宮前区総合防災訓練は、以下の目的のもと平成29年より年2回開催されています。今回の会場は有馬小学校でした(場所は地区ごとに持ち回りで有馬小学校では初の開催)。東有馬地区の町会の皆さまによる避難所開設訓練のほか、多くの近隣の住民の方も会場に訪れ、様々な訓練体験や展示の見学など地域全体で防災意識を高められた1日となりました。
<総合防災訓練の目的>
過去の地震の教訓や首都直下地震発生の切迫性を踏まえ、自助・共助(互助)・公助の理念に基づき、区民を中心に、企業、区及び防災関係機関等の連携による実践的かつ総合的訓練を実施することにより、防災意識の高揚と地域防災力の強化を図る
自助は一人ひとりができること・・・自分や家族を地震から守るために
共助はみんなでできること・・・避難所の開設や運営の協力・近所の助け合い
【写真:当日全体の様子】
主な訓練・展示の内容
主な訓練・展示の内容は以下の通りでした。
体育館にて
◇避難所開設訓練
避難所を開設するための手順の確認や使用資器材の確認訓練
◇応急救護訓練
宮前区赤十字奉仕団による指導のもと、心肺蘇生法や止血法などの訓練
校庭にて
◇消防局警防部航空隊による情報収集訓練(偵察訓練)
◇震災時に活躍する消防車両等の展示
(消防車両、警察車両、給水車、パッカー車、道路パトロールカー、防災協力事業所車両)
◇企業や関係団体による防災展示・実演(ブース)
◇初期消火訓練、放水体験
◇地震体験、煙体験
◇応急給水訓練
◇震災時の土のう積み訓練
◇リフティング訓練(倒壊重量物排除訓練)
◇要配慮者疑似体験
開会式において、南昭子宮前区長、井上孝志運営委員長より以下のお話がありました。
南昭子宮前区長からは、
「災害はいつ起こるかわからない。起きた時に大切なのは自分の身を自分で守る。自分の家族を守る『自助』。ご近所の助け合いの『共助』が地域を守ることにつながる。
『自助・共助』のいずれの取り組みも訓練の場で実際に体験しているかどうかが、災害が起きた時に的確な判断や行動につながる大事なところになってきます。今回の訓練では『自助・共助』につながるものを盛り込んでいるので、是非体験してもらいお帰りになってからご家族やご近所で話題にしてもらって地域全体の防災力を高めてもらえたら幸いです。これからも職員の防災意識、災害対応力の向上に努めていき、災害に強い宮前区をつくっていきます」
有馬小学校避難所運営会議 井上孝志運営委員長からは、以下のお話がありました。
「災害はいつ起きるか分からないので気象条件もわからない。『寒い』や『暑い』も言っていられない状況になる。そのような意識のもとで実りのある訓練にしたいと思います。訓練を通じて区長からお話があったように家族・地域を守る。そのためのスキルを発揮し、身につけていっていただきたい」
【写真:開会式の様子】
消防局警防部航空隊による情報収集訓練(偵察訓練)
開会式直後に、消防局警防部航空隊による情報収集訓練(偵察訓練)が実施されました。
「溝ノ口上空から宮前区内に入る・・・」
「かわしょうヘリ2より。火災と思われる箇所確認、消防車両確認・・・」
「有馬小学校の影響。有馬小付近火災発生は認められない、延焼危険なし」・・・・
など、
上空に飛来したヘリコプターから旋回しながら周辺の被害状況を訓練本部に刻々と報告される様子が校庭のスピーカーからライブ中継され、臨場感あふれる体験でした。
【写真:偵察訓練の様子】
体育館での避難所開設訓練
体育館では、大震災発生時において避難所を開設する避難所開設訓練が東有馬町会、市営有馬第一住宅自治会、市営有馬第二団地自治会、県営有馬団地自治会で構成される有馬小学校避難所運営会議を中心とする有志メンバーで行われました。
今回は、以下の想定のもとで避難所開設訓練が行われました。
・6時30分に首都直下型の地震が発生し、市内全域で震度6弱の揺れが確認された。
・6時45分頃に都内ではいたるところで火災発生のニュースが出てきており、避難先の校舎の窓ガラスは割れているが、建物には大きな被害はない状況。
宮前区が作成した避難所開設を目的にした「避難所開設キット」に基づいて、総務班、情報広報班、救護班、環境衛生班、食料物資班の5班に分かれて、避難所で使用する各種資器材の取り扱い訓練が行われました(各班10名程度で約50名での訓練)。避難所開設キットには、それぞれの班の実行カードが入っており、内容を見ながら順番に進めることでどなたでも開設できるようになっています。これを使って約1時間の訓練となりました。
<各班の役割>
総務班・・・避難所全体の運営(今回のリーダーは、市営有馬第一住宅自治会の山根良子会長)
情報広報班・・・情報広報板や受付の設置、特設公衆電話の設置など
救護班・・・パーテーションテント等で簡易的な救護所の整備など
環境衛生班・・・トイレ設置場所への運搬、仮設トイレ・簡易トイレ設置と携帯トイレの活用、ペット対応など
食料物資班・・・備蓄品の確認、数量の点検、照明器具の設置など
本日の訓練に向けて開設キットの利用方法などは事前に指導を受けており、訓練当日は総務班の班長である市営有馬第一住宅自治会の山根良子会長のスムーズな運営により、大きな混乱もなく訓練は進みました。
訓練終了後、山根良子会長からは以下のコメントをいただきました。
「開設キットの避難所設営自体の訓練は事前のご指導もありスムーズではありましたが、まだ初歩段階だと思います。体育館自体が解錠された状態での訓練なので、実際に大地震が発生した際には校舎内の確認や体育館を解錠すること自体が大変かもしれない。訓練はこれまで数回重ねてきているが、ビデオを見たりすることよりも実践が大事で経験がものを言います。私の団地においても、近隣の一戸建て住民の方へのご協力や備蓄品などの確認や資材を事前に揃えておく必要があります。訓練を重ねながら皆で助かろうという気持ちをもってもらいたいです」
避難所開設訓練の他には、宮前区赤十字奉仕団の指導のもと応急救護訓練が行われました。
一般参加者に向けてAED利用や心臓マッサージの体験、三角巾や風呂敷を使用した骨折などへの対応や止血方法などの応急手当体験ができるようになっていました。
【写真:避難所開設訓練の様子】
校庭での様々な訓練体験と防災に関するブースの展示
校庭や正門前などの屋外では、防災に関する初期消火訓練、倒壊家屋からの救出訓練、煙体験、起震車による地震体験、応急給水訓練などの各種訓練や体験が行われました。また、校庭のテントブースでは事業者、団体による災害時の活動説明や災害時に利用できるサービスなどの紹介があり、災害時にとても役立つ展示がありました。
多くの一般の方が参加し、会場は大いに賑わいました。
起震車には体験を待つ人の行列もできました。実際に身をもって体験できる良い機会でした。子どもたちも特殊車両に興味津々。普段乗ることのない特殊車両の運転席に座らせてもらう体験は貴重だったと思います。
【写真】:屋外の様子】
『終わりに』
閉会式には、宮前消防署の杉山哲男署長より以下の講評がありました。
「本日の訓練は早朝よりご参加ありがとうございます。日頃のみなさんの熱い防災に対する思いがしっかりと反映でき、実効性のある訓練だったと思います。過去の大規模災害をとってみても『想定外』とよく言われる時があります。『阪神・淡路大震災では、都市部にこんな大きな地震がくるとは思わなかった』『東日本大震災ではこんなに大きな津波がくるとは思わなかった』『熊本地震ではこんなに大きな地震が数回もくるとは思わなかった』など聞いたことがあるかと思います。人は危機的状況に陥ると、正常性バイアスが働き、事態が正常化され、自分に限っては大丈夫だと思い込んでしまう事が多々あるので日頃からこのような訓練を重ねてしっかりしていただいて有事の際に冷静に落ち着いて行動できるようにしてもらいたいと思います。
今年は関東大震災から100年を迎えます。これを機会にご家族、ご近所、ご友人の方と防災に対しての考えや備えの話をしてもらいたく今回の講評といたします。今後も地域の火災予防についてもよろしくお願いします。」
皆さまのお話の通り、地震などの災害はいつどこで起こるか分かりません。
日頃から災害に備え、防災意識をしっかり持ち、危機管理意識を高める訓練が必要であると改めて感じました。毎年、各町会や自治会では定期的に自主防災訓練が行われているので、自分自身もしっかり参加することで防災意識を高めていきたいと思います。