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★備えあれば憂いなし~避難所開設訓練~
避難所開設訓練参加者は?
【ご近助コンシェルジュ 野川・梶ヶ谷地区担当/小川、2022年12月11日 記】
野川・梶ヶ谷地区担当の小川です。
先日、自分が住んでいる地域で、[避難所開設訓練]が行われるとのことで取材に行かせていただきました。
会場は、野川小学校。
参加チームは5つの会から成り立っています。
・野川町内会
・野川やと睦会
・梶ヶ谷金山町内会
・野川東住宅自治会
・野川中耕地自治会
この5つの会は、野川小学校避難所運営会議というネットワークです。
そもそも、避難所運営会議とはなんだろう・・・
取材に行って、初めて聞いた言葉でした。
【写真:開会の様子】
避難所運営会議とは
地域の人たちや団体等から構成され、地震等の災害時における避難所の円滑な運営と平常時における地域住民への防災啓発や避難所運営に係るマニュアル作成等を行う役割を担う組織をいう。
なるほど。
また、
避難所の運営は、地域住民だけが行うものではなく、市や区といった行政組織、施設管理者である学校が協働で行うもの。
とのこと。
全く知りませんでした。
避難所開設訓練というものが行われていることも知らなかったので、今回の取材は全く無知の中、お邪魔しました。
【写真:備蓄品】
班ごとに役割分担
川崎市内で、震度6弱の地震があった場合に避難所を開けるという決まりになっていて、
その場合、行政の職員がすぐに到着できないこともある為、鍵を持っている近隣の避難所運営会議のメンバーの方が備蓄倉庫の鍵を開けます。
倉庫から、“避難所開設キット”を出し、“避難所開設実行カード一覧表”に則り開設の準備を進めるそうです。
その場で、5つの班に別れ、班ごとの役割を確認します。
5つの班は下記のように分かれています。
・総務班
・情報広報班
・救護班
・環境衛生班
・食料物資班
一覧表には、班ごと順にやるべきことが書いてあるので、その通りに進めていきます。
同時に、その場でリーダーを決めます。
班によって、やることはたくさんありますが、実際の災害時にどこまで動いていけるか。
例えば、救護班の〔傷病者等への対応〕という項目があります。
文字で見れば、怪我人の手当てかな、ぐらいしかピンときませんが実際は、もしかしたら生死をさまようような重症者への対応が必要になるかもしれません。
現場では、やるしかないけれど、今まで想像もしたことがないようなことが起こりうる可能性もあり、内心は少しゾッとしましたが、そんな時でもできるだけ冷静に速やかに対応するには、このようなリアルな訓練は重要だと、この時初めて、心からそう思いました。
他には、特設公衆電話を設置、仮設トイレを組み立てる、備蓄倉庫の備蓄品管理、などなど班によってたくさんの役割があるようです。
【写真:備蓄倉庫にある粉ミルク】
リーダー会議
避難所設置は、およそ1時間で完成させていきますが、その間も避難者はきっと続々とやってきます。
開設前に集まってきた人たちは校庭などで待機してもらい、開設の準備を進めます。(場合によっては避難者にも開設・運営に参加してもらいます。)
その間、2回リーダー会議が行われます。
1回目の会議は、避難者受入準備開始の指示
2回目の会議は、避難者受入開始の指示
となり、避難所開設→避難所運営の体制に移行していきます。
リーダーさんはリーダー会議で、各班の状況を把握し、指示を出していくわけですがいざ、本当の災害が起こった時を想像すると責任重大で、とはいえ切羽詰った状況の中「やるしかない」とプレッシャーを抱えながら、もし自分がその立場になった場合もしっかり任務をこなさなくてはと、身が引き締まる取材でした。
各班にはたくさんの役割があり、自分のこと、自分の家族のことなどを心配する中でも、その役割を果たしていかなくてはなりません。
気持ちがゴチャゴチャしている中、果たして出来るかなと、自分は不安になってしまいました。
【写真:リーダー会議の様子】
日頃のコミュニケーション
出来るかな?と不安になってしまったと書きましたが、
大切なのは日常の中での近所の方とのコミュニケーションかなと思います。
知った顔、気の知れた人には、何か伝えることやお願いするのも言いやすいですよね。
そして、助けを求められれば手を貸してあげられるのも、知った顔なら壁もなく出来ます。
お隣さんすら知らないという世の中になってきていますが、日頃からのふれ合いがいざという時の助けになるのだと思います。
コロナ禍で人との距離がさらに開いてしまったけれど、
コミュニケーションのあり方を考え直すきっかけにもなりました。
<参加してみて>
初参加の方3名にお話を聞いてみました。
☆70代女性☆
初めて知ることが多かった。
防災センターに色々出向いているが、実際にやってみると違う。
説明だけだと分からないことが多いが体験するのはとても良い。
☆40代女性☆
流れが分かった。
避難所がどういう所かという疑問が解消した。
最初のビデオ〔来る人はお客様じゃない〕という言葉が響いた。
☆80代男性☆
器具の使い方、物を出す手順などさわりだけど分かった。
本当の時は参加者みんなでスムーズに出来たら良いと思う。
班長だけだと手が回らないので、しっかり協力することが大事。
取材をしていた私はというと、実はこのような訓練が行われていることすら知りませんでした。
全てが初めて見るもので、特に印象的だったのはトイレ設置でした。
速やかに皆さんが設置していたことに驚きましたし、いざとなった時のことを考えると、トイレって本当に重要だと思ったこと、また、障害がある人は大変だなと、トイレに関してはネガティブな感情が多かったです。
でもそれもひっくるめて、備えあることが何より大切だと感じ、自宅の避難道具を見直そうと思った、貴重で勉強になった取材となりました。
【写真:トイレ設置中】